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プロフェッショナル仕事の流儀(第293回)(2016.05.09)

「どんな絶望にも、光はある 自殺対策NPO代表・佐藤久男」

今回は、自殺を防ぐ命の相談員、自殺対策のNPOの佐藤さんのお話でした。

秋田県は年間の自殺者の数が国内でワーストだった時期がありましたが、佐藤さんたちの活躍もあって、
10年前は500人だったのが現在は半分の250人にまで減少したそうです。

佐藤さんの元に相談に来る方たちは経営者の方が多いなぁという印象がありましたが、佐藤さん自身も以前、
不動産の会社を経営をしていて失敗した経験があったとのことです。

佐藤さんの様子を見ていると、相談者の話に口を挟まずじっと聴き、話は順番通りでなくランダムで良いので
とにかく話をたくさんしてもらう、ということが話を聞く側として大事なのかなぁという印象を受けました。

放送で2組の相談者が登場していましたが、1組目の方は、夫が亡くなった奥さんで、夫が残した家を競売に出さないと
いけない状況でしたが、これを出してしまうと自分の存在価値が無くなり生きている意味が無くなってしまうという相談でした。
佐藤さんに相談した結果、親戚の人に競売でこの家を買ってもらい、相談者が親戚にお金を何年かかけて返済していく、
ということになり、相談者が生きていく意味ができて、相談が終わった直後からすでに相談者が前向きで生き生きとした様子に
なっていたように感じられました。

2組目の方は、夫婦でご相談で、解体業(解体をしてできた鉄くずを販売している)で中小企業を経営しているが、
鉄が安値でしか売れず経営が苦しく、従業員も全員解雇し、自己破産を考えているとのことでした。
なかなか解決策が見つからない様子でしたが、最終的には佐藤さんの案で、鉄の売買にこだわらず、すべてを解体せず、
ある程度形があるものも売って行くということで方針変換し、経営を立て直すという方向になりました。
最初のほうは自己破産することしか考えてないご夫婦でしたが最後には少し明るくなった様子を見せ、
佐藤さんも少しホッとした様子でした。

秋田県の自殺者がここ10年で500人から250人に減少していることについて、
佐藤さんは、それでも自殺者が250人もいるので減少したからと言って喜ぶ気持ちにはなれないと話していました。

今回の放送で佐藤さんが「良いことが無くても悪いことが無かった日が良い日なんだよ」と言っていたのが印象的でした。

「プロフェッショナルとは」
「人がやらないことでも、やれると信じて懸命にがんばり通す。己を信じてどこまでも前進する人」